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「就活論:あなたは自分の人生に対して”まじめ”か?」採用・人材育成コンサルタント 小峠 大河さん

初めての就職活動と聞いてあなたはどんなイメージを持ちますか?
様々な大人と出会い話せて楽しいと思う方もいれば、全然合格出来ずに焦り、自分に合う会社なんてあるのかなと不安に感じる方もいると思います。
今回は新卒でリンク・アイに入社し、多くの学生の人生と向き合われてきた小峠 大河さんに伺わせて頂きました。現在は退職し独立をしておりますが、そのご経験から思う“新卒での就職活動”について深く切り込んでいきます。小峠さんの大事にしている信念もお聞きしており、この記事が何か力になれれば幸いです。

なんで、就職活動をするの?

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    本日はありがとうございます。

    まず僕がお聞きしたいことは、小峠さんが前職で沢山の学生と向き合われた経験から、新卒で入社した会社で活躍する人と自分を上手く出せずに後ろ向きな離職してしまう人の違いは何ですか?

  • うーん。一言でいうと、良くも悪くも期待値が適切に調整出来ているかどうかの違いだと思います。

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    それはどういう意味でしょうか?

  • 小峠大河(ことうげ・たいが)さん

    1994年生まれ 奈良県出身 信州大学教育学部を卒業。 大学時代は、旅人として国内外を旅したり、福島にゲストハウスを建設するなど様々な活動をしており、TEDxにもスピーカーとして登壇。 新卒で組織人事コンサルティングを行う東証1部上場企業に入社。人材紹介事業にて、入社2年目で社内のギネス記録を1.8倍で塗り替え、社員1500人の中からMVPを受賞。また採用コンサルタントやセミナー講師などにも従事。 27歳で独立し、個人コンサルタントとして若者育成に携わりつつ、企業に対しても採用・育成領域のコンサルティングを行う。また、大学(iU)の客員教員や、学校法人(神山まるごと高専)の立ち上げ、地方創生事業など、幅広く活動中。 プライベートでは毎月移住して生活拠点を変えながら生活している。

  • 入社した会社をネガティブな理由で辞めていく人は2つ原因があって、1つは会社に対してもう1つは自分に対しての期待値を過度に高めすぎていることが、要因として大きいと思っています。

    1つ目について、就職活動中は、見ている企業のポジティブな面(魅力的な面)に視点が偏りやすく、美化し過ぎてしまうことによって期待値が上がり、入社後にネガティブな面を見た時に、ギャップが大きくなりやすいということ。

    2つ目は、学生時代に部活動や学生団体などでの成功体験によって、自分に対して期待値が高くなり、入社後も自分は活躍出来ると思っていたが、なかなか上手く結果が出ずに、こんなはずじゃないと会社のせいにしてしまうことです。

  • 勿論、「他責ではなく自責で考える」「選んだ道を正解にする」というマインド論もありますが、個人的には良くも悪くも自分や会社に対しての期待値を適切に下げることは重要だと思っています。

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    期待をしないわけではなくて、高め過ぎないところがポイントかなと思いました。ありがとうございます。

    期待値の調節の以外で新卒での就職活動をする際に大事にしたら良いよと思うことは何ですか?

  • それでいくとまず、最初に考えるべき問いは「なんで、就職活動をするのか?」です。

    「大学卒業=就職」という固定概念が日本にはあるように思いますが、卒業後のキャリアは必ずしも就職だけでなく、起業、アルバイト、留学、旅、他にも様々な選択肢が幅広くある中で、「どれが自分の人生を最も幸せをすることに繋がるのか?」を考える必要があります。

    人間が幸せになる為に生きる要素としてお金があってそれを稼ぐ手段の一つとして就職という選択肢があるだけなので、安易に周りがやっているから就職するのでなくて、そこを改めて深く見つめ直して欲しいですね。

  • よく、世の中で就職をしてイキイキとやりがいを持って働けている人は6%しかいない、と言われたりしますが、だとしたら考えてみるべきは「あなたは周りの100人を見渡してそのトップ6人に入れる人材か?」です。

    これは少々乱暴な問いですが、あながち間違いではないと思っていて、就職するかどうかではなく、フラットに「自分の人生を幸せにする」ことをどれだけ真面目に考えたかどうかかなと思っています。

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    就職が決して悪いことでなくて、「なんで、就職活動をするの?」の答えが出せていないと後悔や苦労をするということでしょうか?

  • そうですね。なので、就職活動の時期だから就職の為に自己分析をするのではなくて、幸せになる為には、常に自分は何がしたいのか?何をしている時が幸せか?どんな人と囲まれたいのか?など、”自己分析”はやり続けるべきだと思っています。

  • 少し話は変わりますが、人事の方が学生によく質問する「やりたいことは何ですか?」という問いが実はあまり好きではないんです。

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    それはどうしてでしょうか?

  • その問いを聞くことで、“やりたい”があることが正しくて、ないことはダメだと感じてしまうからです。

    たかだか20年数年生きてきただけで見つかることの方が少ないのに、「やりたいことは何ですか?」とある前提で聞かれるから、無理矢理考えて言ったり、それを会社で出来ていたとしても、やってみたら本当はやりたいと思わない、といったギャップに苦しんでいる人を沢山見てきました。

    なので、聞くのであれば「やりたいことはあるのか?」で「ありません」と言われても「そっかそっか」で良いと思っています。

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    やりたいがなくても重く捉えなくて良いという考え方が素敵ですね。

    そうは言っても、求めてしまうと僕は思っていて、やりたいことがない人はどうしたら見つかると思いますか?

  • やりたいことが見つからない理由はシンプルに知識不足からでしかないと思っています。

    そうですね。例えば、ルナ・レインボーという言葉を知っていますか?

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    いえ、知らないです…。

  • ルナ・レインボーとは満月の夜、南米イグアスの滝の水しぶきにかかる虹のことで、今初めて知ったことによって初めて行ってみたい見てみたいというwant to が生まれて、知らない限りはそう思うことすらも出来ません。

    つまり、やりたいことは知っている範囲の中でしか選べないので、あなたが考えずにしたいと思えていることに出会えているかどうかだけの違いで、単純に知識を増やす方が重要だと思います。

do unto others as you would have others do unto you

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    小峠さんは学生の時にヒッチハイクで沢山の方にお世話になってきて、どうしたら載せた方にありがとうと言って貰えるかを大事にしてきたと伺いましたが、実際に何を意識してどう行動しましたか?

  • よく調べていますね。何をしたかと言われても特に難しいことはしていなくてただそれを考えただけです。

    ヒッチハイクは、タダで移動させてもらって、色々な話をしてもらって、時にはご飯をご馳走になったりすることもある。与えてもらうことばかりなんですよね。

    これに対して、自分を乗せたドライバーさんがこの旅人を乗せて(出会えて)良かったと思って貰うには、どういう会話をして欲しいか、どういう振る舞いをして欲しいか、どういう話の聞き方をして欲しいかをひたすらに考えました。勿論、それは相手によって変わります。

  • このインタビューでもどんな話をすればこのsolaにとって、読者にとって良いのかを考えているし、何かプロジェクトをするとしても自分がどういう動きをすれば周りの人達が働きやすくなるかを考えています。

    シンプルに考えようとする姿勢が大切で、そこに画期的な魔法も飛び道具もありません。

    何よりもどうしたら喜んで貰えるかを考える気持ちはシンプルに相手に伝わりますよ。

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    よくgiveをしなさいという言葉がありますが、お金も人脈もなく、能力も高くなくて、何も与えられないよと思う方もまずは相手にどうしたら喜んで頂けるか、心地よい時間に出来るか考える姿勢が大事ということでしょうか?

  • そうですね。自分が心掛けていることでいうと、パソコンのデスクトップにこういうのがあります。

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    これはどういう意味でしょうか?

  • 自分はキリスト教徒ではありませんが、その一節で意味を訳すと、「あなたがして欲しいと思うことを相手にしてあげなさい」となります。

    自分が「ありがとう」と言って貰えたり、元気よく挨拶をされたり、悩みを親身に聞いてくれたりすると嬉しいですよね。僕自身も常にそう振る舞うことができているわけでは決してないですが、できる限り意識したいし、大切にしている好きなフレーズです。

今、あなたの現在地から1歩でも前進しよう

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    最後に周りの友人と内定の数で比べたり焦ったりして企業からは面接でも落ち続けて自分を否定されてしまうように感じる“就職活動=辛いもの”だと思っている学生に向けてメッセージをお願いします。

  • まず前提として、先ほど触れた「なんで、就職活動をするの?」の問いを投げかけて、就活以外の選択肢も用意した上で、あなたを最も幸せにする選択肢はどれかを考えて欲しいです。

  • とはいえ、就職活動をする人も多いとは思っていて、不合格をいくつももらうと辛い気持ちになってしまうこともあると思います。

    一方で、勘違いしてほしくないのは、就職活動での不合格は、人格や能力を否定しているのでないということ。会社が求めている人とは違いましたと伝えられているだけに過ぎません。

    それはただ優しいから、勉強ができるから、彼女が出来るわけでないということと同じで、その会社には求める人物像(その会社の文化に合う性格や仕事に必要な能力など)があります。

    それとずれているという判断をされただけなので、むやみやたらと自己否定する必要はないと認識した方が良いと思います。入社しても文化と全然合わなかったり、全く活躍できないと、シンプルに苦しいのは自分ですからね、、。

  • 確かに、沢山の内定先をもらえる人とそうでない人がいるという状況は起こります。

    ただ、その時に大事な視点は今のあなたの”現在地”がそこであるということです。

    それは単なる”現在地”であって、それが良い悪いではない。

    大事なのはその”現在地”からどうしたら前に進めるのか?を考え、前進しようとするか、なのかなと思っています。

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    辛いと思わずに、幸せになる為の活動として、なるべく前向きに考え動くことが大切なのかなと思いました。小峠さん、改めまして、ありがとうございました!

↓小峠大河さんの詳細はこちら↓
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