「“やりたい”がなくても大丈夫、必要とされる場所で頑張ってみよう。」プロフェッショナル心理カウンセラー 松尾 圭輔さん
自分のやりたい仕事で就職先を探したいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?けれども、そのやりたいが分からずに悩んでしまう。
そのような気持ちを誰もが一度は感じたことがあると思います。
反対に自分のやりたくない仕事で就職を考えたことはありますか?
今回は敢えて嫌いな営業職に飛び込んだプロフェッショナル心理カウンセラーの松尾 圭輔さんにお話を伺わせて頂きました。
そのご経験から語って頂く、“必要とされたご縁に全力を尽くすこと”と学生生活でのV字回復について紐解いていきます。
悩むよりも先に飛び込んでみよう!
松尾さんは新卒での就職活動において、やりたくなかった仕事に敢えて飛び込んだと聞きましたが、それはどうしてでしょうか?
自分から逃げたくなかったからです。
私は営業が大嫌いでしたが、今後の人生を考えた時にまだ社会に出ておらず、営業職を経験していない自分が先入観だけで否定して良いのか?と問いかけて、そこは飛び込むべきだろ!と答えが返ってきたので決めました。
ここで営業職を選ばないと18歳の頃のどん底の自分に戻るようで後悔したくない気持ちも大きかったです。
実際にやりたくない営業職の会社に入社をしてみて何を感じましたか?
私の人生に対する価値観が大きく変わる経験をします。
入社する前はお金が一番重要だと思っており、営業職では結果を出せば出すほど給与が貰えるので、意気込んでいました。
けれども、実際に働いてみると、その環境は自分にとってあまりに身体的に苦しく、長時間労働と数字に対するストレスで、どんどん体調が悪くなっていきました。
身体を壊して退職した後、1ヶ月間寝たきりになってベッドの上で自分の命と健康よりも大切なものはないことに気付きます。
それは大変でしたね…。
多くの学生が松尾さんとは反対の自分のやりたい仕事や好きなことで就職先を探すと思いますが、そこはどう思いますか?
そうですね、私の経験を振り返ってお伝えしたい点は「悩むよりも先に飛び込んでみよう!」です。
それはどういう意味でしょうか?
どの会社を選んだとしても信頼される人間になることが新卒の方のミッションだと思っています。
それは自分に与えられたノルマを達成することや同じミスを何度も繰り返さないこと、約束を守る、嘘をつかないといった人としての大切なことを身につけるという意味です。
信頼される人間になれれば、入社する会社はそんなに重要ではないということでしょうか?
はい。まずは、自分を必要としてくれている会社で与えられた役割を全力で頑張ることが大事です。
体験をしてみて初めて見えてくる世界や価値観が変わる瞬間があると思います。それがあなたの後々の人生の良かった悪かったという財産に繋がります。
逆に勝手なイメージの消去法だけで選ぶことは勿体無いです。入社する会社名や職種はあまり関係ないのではないかなと個人的には思っています。
ただ、決して死んで欲しくはないとは強くお伝えしたいです。
あなたの命が一番大切なので、死ぬくらいに辛くて苦しいなら辞めて逃げても良いと思っています。
松尾圭輔 (まつお・けいすけ)さん
1983年11月6日生まれの37歳 中学時代にいじめを受け、毎日死にたいと考えていたある日、担任の先生に救われていじめを克服。この原体験から、18歳で心理カウンセラーを志す。2007年12月からカウンセリングを学び始め、同時に『自死をなくす研究』を独学で開始。2014年にプロフェッショナル心理カウンセラー資格取得。個人カウンセリングや企業研修講師などを経て、2016年11月に福岡市主催のサンフランシスコ研修に参加。シリコンバレーで『自殺対策SNS』のアイデアを発表したことをきっかけに、2017年4月にフィンランド発の自殺対策SNS(現在はサービス終了)を日本語に翻訳してローンチ。某ソーシャルビジネスのコンテストでは2年連続ファイナリストとなる。現在はAIを使ったカウンセリングアプリを開発しながら、WEBマガジン『Uni Mag.』のコラムニストとして活動中。https://uni-official.com/uni-mag
大嫌いだった自分から大好きな自分になる。
18歳の頃が人生のどん底だったとありますが、何があったのでしょうか?
大学受験に失敗をして、友人にも裏切られ、何も良いことがなく、自分がとにかく大嫌いで後悔しまくりの時期でした。
災難だったのですね。そこからどう上げて行ったのですか?
初めてこれから先もこのままの人生で良いのか?と自分と深く向き合いました。
自己対話をする中で本当はこんな自分は嫌で後悔したくない想いに気付いて、そこから「今はどん底だから仕方ない。けれども、明日から生きたい人生を歩めるように一歩ずつ上って行こう」と仲直りをします。
それが大学の入学式の前日でそこから「1分1秒を100%全力で生きて絶対に後悔しない」と心に誓って学生生活を始めました。
そこから具体的にどう変えていったのですか?
実は、大学入学前の私は女性の目を見て話せませんでした。
けれども、入学の日にここで変わらなければ、昨日約束した自分の誓いが1日で終わってしまうと思い、隣にいた初対面の女子学生と話せたことがとても大きかったです。
やれば出来るじゃん!と大きな自信に繋がりました。
それは嬉しいですよね!
そこから、固定の英語のクラスで男女問わず友人が出来て、内気な自分が少しずつ社交的になり、自分らしさを感じることが出来ました。
1日1歩でも努力を重ねていくと、大学で夢を語り悩みを打ち明ける人生を共にする親友も出来て楽しかったです。
大学では何にエネルギーを注ぎましたか?
とにかく勉強で講義でも全教科最前列の席で黒板をメモしまくる学生でした。
教職課程も取っており、人に教えることは自分の勉強になると思い、試験前には自主勉強会を開くと人が人を呼び、教室が満席になります。
それで実際に単位が取得出来た声や人の役に立つ喜び、分からない顔から分かるようになった表情を見ることにやりがいを感じました。
試験前でなく教職課程もない日はアルバイトをして、1週間があっという間に過ぎる毎日でその分充実感もとても大きかったです。
中学の頃にいじめを受けた原体験と教職を取っていたことから教師を目指されていたということでしょうか?
そうですね、最初は教師を目指していましたが、教育実習に行った時に、教師のあまりの忙しさを目の当たりにして、これでは生徒の心に寄り添えないと思い、スクールカウンセラーの方向に絞りました。
あなたの人生だからあなたの好きにして良い。
松尾さんは心理カウンセラーになるつもりなのに、最初に就職をしたのはどうしてでしょうか?
実は20歳の時にカウンセリング専門学校の1日体験講座に参加したことがあり、そこでここに入学することを決めましたが、30〜40万円必要でそのお金を貯める為に就職しました。
そこから敢えて自分が一番やりたくなかった営業職をすることになります。
そうなんですね。
自分のやりたい仕事が決まっている人はそこから逆算して細分化をすることが大切だと思っています。
私は心理カウンセラーになる為に何が必要かと考えると、まず、やりたくないことをする経験、次にどの年代の方とも話せるスキルや話術が必要になると思い、新卒の会社を退職したあとはコールセンターをしました。
私はカウンセラーになるために必要なスキルが身に付く仕事を逆算し、戦略的に転職をしてきましたが、転職をするたびにレベルアップして夢に近づいている感覚があり、楽しかったです。
反対にやりたい仕事が特に決まっていない人は、ご縁があった会社に全力で向き合うと。
はい、与えられた仕事に全力を尽くしていると、私がお金から健康に変わったように価値観が変わる時が必ずありますし、自分にとって心地良い仕事が何か見えてくると思います。
最初に入社した会社で「石の上にも3年」という言葉もありますが、どう思いますか?
そうですね。3年続けて誰かから表彰されるわけでもないので、あなたが決めて良いと思います。
つまり、周りの意見に流されないことは凄く大切です。
自分の人生設計をしていないと、両親や上司の意見が自分よりも優先されてしまう時がありますが、それは違うと思っています。
「他の誰でもないあなたの人生だからあなたの好きにして良いですよ」とお伝えしたいですね。
松尾さん、本日はありがとうございました!
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