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「お金は“欲しい”ではなく“要らない”」株式会社カムラック 代表取締役 賀村研氏の決してぶれない大事な価値観

今回は第12回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で「審査委員会特別賞」を受賞した株式会社カムラックの賀村研社長にインタビューをさせて頂きました。

株式会社カムラックは障がい者の活躍できる社会の創出、本業を通じて社会課題を解決し持続可能な社会を実現する事業を幅広く行なっています。

この記事では賀村さんのご経験から大事にしている価値観とお金の考え方について伺っていきます。

賀村研(かむら・けん)さん

1972年愛媛県伊予郡砥部町生まれ。日本大学農獣医学部卒業。大手ゼネコンで人間関係を、東京のITベンチャーで仕事の厳しさを学び、地方の中小SES企業で中央との温度差を体感。大きな挫折を味わい、Webポータルサービス企業で、人との繋がりの大切さを学ぶ。
2013年に株式会社カムラック設立し、障がい者支援事業に参入。キーワードは「企業との共存共栄~支えられる側からお互い支え合う関係へ~

大きな理想を言わないと小さな仕事は出来ない

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    本日は貴重なお時間をありがとうございます!

    賀村さんが大事にしている考え方は価値観は何ですか?

  • どうだろう、口に出す、文章にすることはやってきているかな。

    これから共感資本社会に移っていく上で、自分の想いを知ってくれないと仲間にはなってくれないと思う。

    それが僕だと平和な世界を作るとか資本主義社会を壊すとか言っているわけだよ。

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    話のスケールが大きいですね

  • でも、大きいからこそ、その為に自分が今を何をするべきか見えてくる。

    僕と同い年のイーロンマスクも電気自動車を作る為に事業をしているわけでなく、火星に移住する為に事業をしているから、電気自動車がゴールの会社に負けるわけがないよね。

    大きな理想を言わないと小さな仕事は出来ないと思うよ。

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    誰もがワクワクするビジョンを共にしたいと思います!

  • その為には自分中心でなく、利他の精神で人の成長させる。

    僕は自分の会社で自分よりも優秀な人を出すことを大事にしているよ。

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    凄いです。社長が一番優秀でないといけないという意識はないのですね。

  • ない。ただ社長である自分が一番多くの挑戦をし続けようとは思っているよ。

  • お金は欲しいではなく、要らないと言う人に集まってくる。

  • カムラックで乗る車は電気自動車や水素自動車なのね。

    こんな小さな会社が環境を意識したところで、世の中が変わるわけじゃないと思われるかもしれないけど、僕は何かをする時には始めるその”1”がとても大切に思う。

    僕が1000万円する電気自転車を障がい者の方々が働いたお金で買っていると思う?

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    いえ、全く思わないです。

  • 車はくれるのよ。僕は色んな会社の役員でお手伝いをしているけども、その報酬は一切貰っていない。

    だって、これからのカムラックにとってパートナーとなるまだ発展途上の会社からお金は貰えないでしょう。

    ただ1年2年3年経つと1億や2億の売り上げが出てくるわけで、「賀村さん、今まで払えなかった報酬を貰ってくれませんか?」と聞かれても、僕は頑なに「要らない」と言います。

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    ええ、なんでですか?

  • だって僕は別にお金が欲しくて手伝っているわけでなく、カムラックにとってあなた達の会社が成長することが嬉しいと感じるからです。

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    賀村さん、すごい。漢気ありますね。

  • でも、向こうは税金で徴収されるわけだから、経費で何か買った方がいい場合もあるわけです。

    そこで「賀村さん、何か必要なものはないですか?」と経費で買って贈ってくださります。

    僕がお金は要らないと言うと、1000万円の電気自動車が入ってきました。

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    お金を貰うことも出来た中で、要らないと言う賀村さん、かっこいいですね。

  • まぁ、最低限の食べられる保証があったものあるけれどね。

    安部君は低所得層の人たちはお金についてどう考えていると思う?

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    もちろん、お金は欲しいと思っています。

  • そう、低所得層の人たちはお金を欲しい欲しいと思っているから、入ってこない。

    逆にお金持ちは要らない要らないと言って、自分に出来る役割をやるからお金が入ってくるんだよ。

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    それは衝撃の真実ですね。

  • 例えば、仕事とは関係ない手伝いを一生懸命にやってくれる社員がその分だけお金をくださいではなく、これは自分の勉強のためなんで、お金は要らないですと言われるとお金をあげたくなるし、誰か紹介をしたくなるじゃないですか。

    そういうことです。そして、その入ってきたお金を何に使うかに人間としての器の大きさが出るね。

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    賀村さんは最低限の収入があればお金は特に欲しいとは思わないタイプの人間ですか?

  • うーん、そうだね。例えば、今欲しい物と余命があと半年ですと言われた時の欲しい物の優先順位は変わるんじゃないかな。

    そういうのを常に考えるようにはしている。

障がい者である彼らから食べさせて貰っている。

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    賀村さんのそのお金は要らないと言う価値観はどのようにして形成されたのですか?

  • うーん、20代でゼネコンからITベンチャーの経験からかな。

    自分が汗水垂らして働いてもお金は社員に行かず株主と投資家にだけに運ばれ、その人たちは親指をちょっと動かしただけで、誰からもありがとうと言われずにお金持ちになっていく、僕はこのままで続けていんだろうかと思う時期もあった。

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    現在の資本主義への違和感からなんですね。

  • そう。このままの続けていいのかなと悩んでいた時に、妻から九州で子育てがしたいと言われて、九州に移ったね。

    その頃から利益を求める経済性も大事だけど、自分の子供が幸せに暮らせるような地域、社会に事業を通じて貢献する社会性と経済性の融合を考え始めたよ。

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    九州での子育てがきっかけで変わり始めたのですね。

  • うん。ITベンチャーに勤めたいた時は1人で、4〜5億円稼いで、今はグループ会社100人で同じ売り上げを出しているけども、今の方が100倍楽しい。

    なぜなら、誰も蹴落とさないし騙さないから。

    皆が一生懸命に仕事をして、地域の方にありがとうと言われて、社員同士も互いにありがとうを伝え合う関係が出来ている。

    福岡に来て良かったなと感じることが多いよ。

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    お金よりもありがとうの関係が大事だと分かりますね。

  • そうだね。僕は障がい者である彼らに僕が何かをしてあげたことは1つもない。

    むしろ彼らから教えてもらうことの方が多いよ。

    僕は彼らからご飯を食べさせてもらっているから感謝でしかないね。

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    社長が食べさせてもらってなんて言葉は聞いたことがないです。

  • もちろん裏切られることもある。けれども、それは障がい者とか健常者は関係ない。

    裏切られたのも彼らではなく、こちらに原因がある。

    障がい者という言葉自体が偏見を生んでいると僕は思うね。

    大切な戦力ですよ。

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    耳が痛いですね。

  • 彼らが今こうしている間に仕事で結果を出してくれているから、僕は10年20年30年後の未来のことに注力することが出来る。

    これからの未来の中でカムラックはどうあるべきかを長期スパンで考えながら、50年100年と続いていく会社を作り、人を育て、導く役割が社長である僕の仕事だと思う。

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    はい。

  • 今からの時代は利益だけが今から短期決算の数字だけでなく、地域や社会、環境のための指標に変わっていき、経済性と社会性の融合が求められる。

    すごい難しいけど、僕はそこを意識した経営をこれからも挑戦していきたいね。

編集後記
賀村さんとのお話しを通して、率直に感じた点は、“お金”についての考え方です。お金は欲しいと思わずに、要らないと言い、自分が出来ることを全力で尽くすと結果として、お金が入ってくる視点は目から鱗でした。賀村さんのお金を稼ぎすぎて感じた資本主義への違和感と社会性があってもボランティアでは持続性がない両面から経済性と社会性の矛盾は僕自身も常に問い続けていきます。賀村さん、本当にありがとうございました!

賀村研さんについて
Facebook:https://www.facebook.com/ken.kamura
株式会社カムラック:https://www.comeluck.jp/

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