「人間関係の悩みは性格ではなくボキャブラリーの問題」 日本話し方協会 理事長 渡邊由規さん
今回は日本話し方協会理事長の渡邊由規さんに伺いました。渡邊さんは話す、伝える、コミュニケーションを教える仕事をしております。それは何故どういう想いでしているのか。学生・社会人時代はどのように過ごしたのか。深く切り込んでいきます。この記事が学生の方々に何かのきっかけとなれば幸いです。
自分都合でなく相手目線で生きる人を増やす
渡邊さん、今日はありがとうございます。なぜ話し方や伝え方、コミュニケーションの領域で起業をしようと思ったのですか?
一言でいうと1人でも多くの方に相手目線で考えて欲しいからです。私は自身の経験から自己都合を優先に考えている人がとても多いなと実感をしております。例えば、レストランで時間のないお客様に店員がマニュアル通りゆっくりと復唱をしたり、病院で診断をお願いしている方がいるのに医者が目の前の仕事にいっぱいで雑に対応を済ませたりする方々です。私たちの身近にはそのような場面で溢れています。主語が自分から相手に切り替わるだけで人間関係が楽になり、お互いが気持ちよく過ごせます。私が教えている話し方や伝え方、コミュニケーションはその手段に過ぎません。
素晴らしいと思います。渡邊さんにとってコミュニケーションとは何ですか?
それは相手に対するおもてなしです。目の前にいる方に何をすると喜んで頂けるかお役に立てるかの関心を持つ意識が原点だと思います。思い浮かんだ単語をただ話すのでなくて、その人にとって必要で求めている言葉を取捨選択をして伝えていく。その為には相手の話に興味を持って聴く姿勢が重要です。
相手目線で生きる大切さになかなか気付きにくいと思います。
確かにそうかもしれません。けれども人間は無人島に1人で存在しているのではなくて、人と繋がり関わり助け合いながら生きています。話し方や伝え方、コミュニケーションは能力ではなく技術です。生まれながらにして上手や下手はありません。誰でも心と頭の整理の仕方を訓練すれば必ず身につけられます。
渡邉 由規(わたなべ・ゆき)さん
福岡県北九州市に生まれる。大学を卒業後、大手企業の秘書業務に携わる。この経験を通しマナーや接遇技術を体得し、その後 テレビやラジオのレポーターを務め、メディアへと活動を広める。また式典等の司会など、2000 件以上の経験を持つ。これまでの実績・経験から独自の話し方プログラムを開発し「渡邉由規話し方教室」を創業。のべ 2000 人以上が通い、あらゆる業種のビジネスパーソンの伝達力スキルアップをサポートする。特に講師・教師の指導には定評がある。更に話し方技術を軸に、マナー接遇・ティーチング・コーチング・ファシリテーションと幅広いプログラムを開発し、社会が求める『伝える力』の体得を軸に、「ビジネスコミュニケーションスキル」を指導する研修を実施。様々な業種・職種の活躍する人材を育て、各企業の生産性向上、売上げ増収を計る。研修、講話など受講者数は、のべ1万人以上。またコミュニケーションスキルを数値化した「話力検定」は、学生・社会人のビジネススキルの格付けとして個々と組織を繋げる評価基準として全国へ展開している。書籍『脱!あがり症』、『話力集中講義1日10分』全国書店、amazon にて発売中である。
父親を理由に諦めた留学をして人生観が変わる
この記事は学生に向けて発信をしております。渡邊さんはどんな子供・学生時代を過ごしておりましたか?
私は誰よりも早く学校給食を食べ終わり運動場に行っては真っ先に陣地を確保する子供で小中学校で学級委員長、高校では生徒会長を務め人を引っ張る役職を多くしていました。1人でいるよりも誰かと一緒にいる時が多かったです。父親が厳しく自由にさせて貰えなかったので私は家から通える大学に進学をしました。大学時代に家庭教師のアルバイトもしており、振り返るとその時から人に教えることが好きだったと思います。
就職活動はどのようにされましたか?
私は子供の頃から目立つ役職に率先して手を挙げていたので人の目に留まるアナウンサーに漠然となりたくて試験を受けましたが、留学経験が無い為に合格出来ませんでした。父親に留学の相談をしてもすぐに反対をされ諦めて地元企業の秘書業務に就職しました。明確にやりたい仕事も大きな志もなく親への邪念や反発する気持ちが大きかったです。
その後はどうされましたか?
そこからは結婚し子供が産まれて主婦になりました。自分の子供が3歳になるまで私は専業主婦に専念して3歳を過ぎてからは家事との両立が出来る範囲内で地元ケーブルテレビのアナウンサーを始めます。子供が成長するに連れて家に帰ってくる時間帯が遅くなり、それに比例して私も仕事の時間を徐々に増やしていきました。
人生の大きな転機といえる出来事は何かありましたか?
はい。恨んでいた自分の父親が亡くなったことです。私は今まで大学進学から就職活動まで全て父親のせいでやりたい選択を選べなかったと思っていました。けれどもそうではなく責任を父に全部押し付けて、私が逃げられる言い訳を作っていたのです。この事実に気づき学生の時に出来ないと思い込んでいた留学をやろうと決めてすぐ中国に行きました。
留学生活はどうでしたか?
留学は富裕層でない土地に行きました。シャワーの水は数滴しか出なく私はそれを手で拾い身体を洗う原始的で過酷な生活を経験します。最初は驚きましたが、何ヶ月もすると身体が慣れてきました。日本に戻ってきたときに物足りなさといかに恵まれているのかを肌で実感しました。情報も沢山あり道路も広く綺麗で、恐怖もなく、何不自由に生きていける。誰もが同じ命であるのに私はこのままで良いのかと思い起業をしました。
「人間関係の悩みは性格ではなくボキャブラリーの問題」
最後にこの記事を読んでいる学生にメッセージをお願いします!
やりたいことがすぐに分からなかったとしても今を大切に生きていれば自分の求めているものは必ず見つかるよとお伝えしたいです。私自身が学生時代から20年以上経って初めて心からしたいと感じられる仕事が出来ています。ただただ何も考えずに遊びさえすれば良い意味ではなくて、目の前の時間を一生懸命に生きてください。就職を決める時期になると自分が分からずに焦る気持ちも分かります。周りの皆と同じ将来のレールに乗らないといけない不安にも駆られます。けれども今この瞬間を大事にすれば、絶対に大丈夫です。
やりたいことや何者になりたいのかを追い求めて今をいい加減に過ごすのでなく、生きている感覚を大切にするといずれ出会える認識で合っていますか?
そうですね。あとは自分がモヤモヤした経験、私でいうと父親を理由に留学を諦めた気持ちに対してどう向き合うのかが大切です。過去と他人のせいにしても何の解決もなりません。私は19歳で父親に責任を押し付けて留学をしなかったけれども、そのまま放置せずに40歳を過ぎてでも留学した経験が起業するエネルギー源でした。自分の過去への落とし前をつけると生きていく軸が培われますよ。
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■話力検定ホームページ:https://waryokukentei.jp/
■伝える 伝わる 伝わった! 話力検定(わりょけん)CM:https://youtu.be/EnrLsl4s96s
■わりょけん/話力検定【公式】Twitter:https://twitter.com/waryoken あがり症で人前で話すのが大嫌いな私が、転職したのはなんと「話し方を勉強する協会」でした。会議では必ず一言とスピーチから始まる日々。「話す力=話力」の大切さを身をもって体験しています。話すことに関する豆知識や講座の紹介、心に響く言葉などをつぶやきます。ぜひフォローしてくださいね!
■渡邊由規話し方教室ブログ:https://ameblo.jp/scai-hanashikata/ 20年間のテレビ・ラジオのリポーター、司会業など 2000件以上の実績! あがり症の受講生1000人を救ったカリスマ講師が あなたの悩みを解決します!