「正解は自分が決められる 在り方から探す就職活動とは 」Life core Lab 川口 まどかさん
現在はLife core Labとしてキャリアコンサルタントをされている川口まどかさん。その背景には、目標のためにご自身が頑張って耐えて結果を出してきた過去から自身の子供の死をきっかけに「今」を大切に生きるように変わり、そして、そういう人を増やしていきたいという想いがあります。
パラレルワーカーで複数の仕事とプロジェクトを並列しながら、学生と専門学生に就職支援をしてきたそのご経験から伝えている“在り方から探す就職活動”、“自分らしさ”とは何でしょうか。お話を伺いました。
働き方は1つだけではない
川口さんはキャリアコンサルタントとして多くの学生や専門学生の就職支援をしてきている中で何を大切にして向き合っていますか?
私自身が学生や専門学生と接していく中で自分が何を仕事にしたら良いのか分からないと悩む声を沢山聞いてきました。
私はそういった方には必ず「あなたがこれまで二十数年生きてきた中で大事にしてきたことは何でしょうか?」という質問をさせて頂いています。
その問いを立てるとどうなりますか?
そうすると、大半の人はうーんと考え込みますが、必ず答えが返ってきます。
それは友人や家族、自分が立てた目標を必ず達成してきたことなど人それぞれです。
いきなり、自分の仕事や就職を考えると何が合っているのか、何をやっていけば良いのかが分からずに頭を抱えてしまう気持ちも分かります。
けれども、一旦、そういった悩みは置いて、自分がどう在りたいのか、何を大切にして生きていきたいかを考えることはとても大切だと思っています。
それはどうしてでしょうか?
「どう在りたい」から考えるとより自分に合った仕事や働き方が見つかるからです。
例えば、友人を大切にしてきた方の深掘りしていくと、人と関わることが好きで、初対面の方ともすぐに打ち解けられるといった話が出てきたりします。
そこからその方の大事にする価値観、在りたい姿をどういう働き方だと実現出来るかを一緒に考えるとアパレルの販売員といったサービス業の思っていなかった仕事に興味が出てくることがあります。
無理に職種や業界から探そうとせずに、大切にしてきている価値観から仕事に繋げていくやり方も1つのアプローチとして良いのではないかなと思っています。
ありがとうございます。
在りたい姿や大切にしてきている価値観が分かったとしても、そこから上手く仕事や働き方に繋げられないと感じている方もいると思いますが、そこの部分はどのようにお考えでしょうか?
そうですよね。仕事と聞くと今ある既存の職業から当てはめないといけないと感じるかもしれませんが、もし、在りたい姿から合う働き方がないのであれば、新しく作っていくことも出来るのではないでしょうか。
どういう意味でしょうか?
例えば、本業をしながら副業をしていくことも出来ます。また、在りたい姿は必ずしも仕事でなければならないわけでもなく、趣味やサードプレイスといった別の居場所を見つけてそこで在りたい姿を実現しても良いと思います。
いずれにせよ、働き方は1つだけでなく、正解は自分がいくらでも決められるものです。
私自身もパラレルワーカーで大学や専門学校、オンライン、企業関係で複数の仕事とプロジェクトをさせて頂いています。
居場所も沢山あり、その数だけ私らしさも発見出来て、私にとっては様々な方と複数の仕事をする働き方がバランスを保ち、私に合っているなと感じます。
きっと今後も新しいワークスタイルが出てきますし、自分には1つしかないと思う必要もありません。
私もこれから更に試行錯誤を続けてアップデートしていきたいと思います。
川口まどか(かわぐち・まどか)さん
大学卒業後、広告代理店に入社し法人営業を担当。演劇に興味を持ち劇団に入団、演劇関係のチケット取扱会社へ転職する。その後、結婚を機に医療機器メーカーに移り、マーケティングや人事、採用、広報などを担当。2人目の子どもが亡くなったことから自分と向き合い、2019年に独立。フリーランスのキャリアコンサルタントとして活動する。
他者と関わる中で自分らしさに気付き、自己認識をして表現する
another.lifeの記事を拝読しました。
その中で“他者と関わる中で自分を知り、自分を表現することで他者と繋がる、このループを回すことが重要”とありますが、これはどういう意味でしょうか?
自分らしさとは自分だけでは分からなくて、他者との関わりの中ではじめて見出していけるものだと思っています。
他者と関わることで自分を知り、その自分を表現することで、さらに他者と関わりをもっていく。自分らしさは、この循環の中で見えてくるものだと思うのです。
もう少し分かりやすく教えて頂いても良いでしょうか?
自分らしさは1つではないということです。
平野啓一郎さんの本にもありますが、家族といる時や友人といる時、初対面の人と話している時も全部ひっくるめて自分らしさであり、様々な人と関わることによってまた新しい発見があり、自分だけでは気づけなかった自分らしさに気づいていくものだと感じています。
自分らしさとは何か1人で悩むよりも積極的に人と関わりに行った方が気づいていくということでしょうか?
そうですね。その一方で“自己認識”も重要だと感じています。
どういうことでしょうか?
例えば、私であれば、自分のことを安心を感じてもらえる存在だと認識しています。
それは多くの身近な方から一緒にいて安心出来ると言って頂いて私もそうだなと思っているからです。
そうやって自分らしさを自己認識して、他者との交流を通して新しい自分に気付いてくことの両方が大切だと思います。
“自己表現”について悩んだり、分からなかったりする方もいると思いますが、どうしたら良いでしょうか?
「自分が自分らしくあること」が一番の自己表現だと思います。
例えば、私は、安心感があるという自己認識していますが、それを表現する際は、出来るだけ相手に寄り添って話を聞いたり、安心を感じてもらえるような接し方、場づくりを心がけています。
“自己表現“というと大それたことに感じるかもしれませんが、ちょっとしたことでも十分に自己表現です。
今を大切にして楽しみながら生きる
お子さんの死をきっかけに価値観が180度変わったと聞きましたが、どのように変わったのでしょうか?
そうですね。価値観が変わる前は、今を生きている時間は未来の為にあり、無理しても頑張って耐えて結果を出すことが幸せだと思って生きてきました。
けれども、自分の子供の死をきっかけに、どんなに頑張っても手に入らないものがあること、私たちは今この瞬間を生きているので、今を味わい生きることが大切だと感じています。
“努力”に対してはどのような解釈をされていますか?
今までは努力=歯を食いしばって頑張ると思っていましたが、今は頑張るというよりも楽しみながら進んでいく方が私には合っているなと感じます。
もちろん、人によって違うので、頑張ること=悪いとは思っていません。
最後に楽しみながら進んでいく為のアドバイスはありますか?
重要な点はどこに楽しみを見つけられるかだと思います。
例えば、仕事でピンチになった時に、自分にどういう声をかけられるか。「これはやばいどうしよう」なのか「よっしゃ、これはついている」と思えるかどうかの違いです。
ピンチな中で前者だと上手くいかないことを後者だとその中でついていることを探しにいきます。自分に対する言葉がけ次第で面白いように楽しみを見出すことができます。ぜひ意識してみてくださいね。
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